PERSON #50
株式会社仙台放送
報道制作局報道部
安達 琴乃 さん
KOTONO ADACHI
東北大学卒業 2019年入社
2021年度取材
世の中の小さな声に耳を傾けたい
大学での研究を経て、「社会的課題を提起すること」に大きな関心を抱いたという安達さん。
彼女が選んだのは、マスメディアで小さな声をすくい上げ、世の中に問題提起をしていくことでした。
地元が好きで、仙台放送への入社を決めたという安達さんに、お仕事について伺います。
放送局での仕事を選んだのは
なぜですか?
もともと報道に興味があり、テレビ局を中心に、マスコミ業界に絞って就職活動をしていました。地元である宮城のメディアはほとんど受けたと思います。
この会社を選んだ理由は?
出身が仙台で、これからもここで暮らしていきたいと思ったのが一番ですね。あとは、学生時代からフジテレビ系列がすごく好きだったからです。「あらあらかしこ」など、若い女性をターゲットにした番組が多いので、自分もそういう番組を作りたいと思いました。
就活は大変でしたか?
私はたくさん受けるのが怖くて、絞って就活を行っていたのですが、自分の何が良くて受かったのか、何が悪くて落ちたのかわからず、直しようがなかったのが一番大変でした。結果、10社くらい受けた中で、仙台放送に内定をいただきました。
現在、どんなお仕事を
されていますか?
今は、報道局で日々の宮城県内のイベントや、事件事故、火事、裁判のニュースを中心に取材しています。また、自分の興味があるテーマで5分程度の番組を企画制作することもあります。最近だと、東日本台風から2年が経った今の住まいの復興についてや、在宅医療について、コロナ禍での飲食店の状況などを取材して放送しました。
今、一番興味があることは?
以前、小児在宅医療の企画を担当したのですが、宮城県内には在宅医の小児科専門の先生が1人しかいないんです。その方が県内を1人で回っていらっしゃって。医療が発達することで助かる命が増えたからこそ、障がいとともに生きていく子どもの数が増加している中、県内ただ1人という課題については、継続的に取材を進めていきたいと考えています。
目標を教えてください
あまり声が大きくない人たち、マイノリティの方や社会的に立場が弱い方、そういった方々と継続的に関係を築くことです。そして、その声を知らない人たちにも考えてもらえるようなニュースを作っていけたらと思っています。
就活で
大変だったことは?
いろいろな会社を受けましたが、落ちた時はその会社には縁がなかったとすぐに気持ちを切り替えて、新しいところを目指しました。多くの会社や施設を見学して、目を肥やしていき、最終的に自分に合った会社が見つかればいいかと思っていました。
学生時代に役立った経験は
ありますか?
社会学の研究室で、震災の被災地に行って話を聞いて、論文にしたことです。「普通の人たちでもこういう困ってることがある」とか「そういうことって問題だよね」と提起するような研究をしたことです。これを仕事にして、もっといろんな人に見てもらって、考えてもらえるようにしたいと思いました。
就活生にメッセージを
どうしてその仕事をやりたいのか、なぜその会社がいいのかというところさえしっかり掘り下げられれば、就活はうまくいくと思います。あとは、あまり自分を作りすぎない方がいいと今になって思います。ビシッとして面接をするよりは、多少笑わせてやろうって思うぐらいのフランクさがある方良いのかもしれません。あまり緊張しすぎずに何かやった方がいいんだろうと今になって思います。あとは体調に気を付けていた方がいいと思います。
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9:30
出勤
警察の担当をしているので、県警本部に出勤します。
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10:00
ニュースチェック
各社の新聞、ニュースを確認します。
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11:00
情報収集
警察内部の様々な部署を回って、挨拶や話の中から情報を拾います。
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13:00
午後始業
カメラマンと一緒に取材をします。
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14:00
編集
取材内容を元に原稿を起こします。夕方のニュースに間に合うよう時間との戦いです。
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17:00
ニュース
取材・編集したニュースが放映されるのに立ち会います。
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19:00
情報収集
また警察回りをして情報収集します。ニュースが終わってそのままデスクワークをして帰ることもあります。
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20:30
帰宅
記者は体力勝負なので、自宅でゆっくり過ごし、明日の業務に備えます。同僚と飲みに行くことも。
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休みの日の過ごし方
休日は希望日も相談できるので十分あると思います。ただ、休みの日に特別なことをすることはなくて、家事をして、実家の犬と遊びます。あとは、ほとんど寝てますね(笑)。
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わが社の自慢ポイント
仙台放送は地上波放送のみならず、配信事業や放送外の新規事業など幅広くチャレンジしています。さらに年間を通して様々なイベントを行い、地元でのリアルなエンターテインメントも提供しています。
テレビは、「結構面白い仕事だよ」と伝えたい
代表取締役社長 稲木 甲二 さん
フジテレビ系列の放送局として、人気番組を数多くお茶の間に届けている仙台放送。宮城県に暮らす大半の人が、1日に1回はチャンネルを合わせることでしょう。学生時代、大学新聞の制作に情熱を傾けた稲木社長は、「伝えること」を仕事に選び、報道、営業、編成制作…と、数多くの畑を歩んできました。稲木社長は、「日本のマスコミって、わかりやすくキャッチフレーズ作っちゃいますよね。新聞とか雑誌だと『活字離れ』っていうけれど、みんなスマホは見てる。LINEだって言葉を使ってコミュニケーションしてるわけじゃないですか。メディアが変わってきてる、というだけで。それが、僕たちの方で言うと、『テレビ離れ』なんですけど、『うちの息子や娘はテレビ見ない』って言う社員に話を聞くと『YouTubeを見ている』と。映像は見ているんですよね。今の子って忙しくて自分で時間をマネジメントしないといけない。だから、決まった曜日と時間に放送される番組は見れないけれど、見逃し配信なら見てくれる。これからは、うちも新しいプラットフォームを作って、強みであるセミナーとかのコンテンツを配信していったりしていかないと…と思いますね」。
ネット時代の到来で、これまでの在り方から大きく変化していくテレビ業界ですが、稲木社長は「メディアや伝え方が変わっても基本的に人間の喜怒哀楽の感情は変わりません。私たちは、地上波だけでなく、配信なども利用して、これからもいろいろな人にいろいろな事を伝えていく。若い学生さんたちには『結構楽しい面白い仕事だよ』というのを伝えたいですね」と話してくれました。
この先、仙台放送がどんなコンテンツで私たちをワクワクさせてくれるのか、楽しみです。
- 所在地
- 宮城県仙台市青葉区上杉5丁目8番33号
- 電話番号
- 022-267-1213
- 従業員数
- 121名(2020年4月現在)
- 2022年度
新卒募集人数 - 若干名
- 過去の採用実績
- 大阪大学、中央大学、法政大学(2020年4月入社実績)
- 公式
ホームページ - https://www.ox-tv.co.jp/
尊敬する先輩とその理由はなんですか?
取材のネタを取るのが上手い先輩がいて、その人から取材の際の聞き方や雰囲気作りを学びました。報道する内容に対して多角的な視点を持っており、私もその姿勢から学んでいます。
また、これは職場のみんなに対してですが、「疲れた」と言っている人を見たことがありません。それぞれが「伝えたい」という強い気持ちを持っているからこそ、大変な仕事でも頑張れるのだと思います。
入社する前と後とのギャップは?
映像で伝えることの重要性を改めて感じました。報道は、取材した内容を原稿にして伝える仕事だとは分かっていましたが、目から入る情報も気をつけなければならないということは、仕事を通して実感しました。これは新聞や雑誌とは違う、テレビという媒体だからこそできることだと思います。そのため、現場では人とのコミュニケーションはもちろんのこと、カメラマンとのコミュニケーションも必須ですね。
宮城大学田名部 亜友 さん
安達さんの「視聴者だけでなく、取材をした方にも失礼のないようものをつくる」という言葉から、信頼の高い理由がここにあるのだと、この取材を通して伝わりました。聞くプロ兼伝えるプロ。「視聴者の方へ伝えたい」という強い想いによって、必要な情報が私たちのもとに届いているのだと学びました。